「スナック三毛猫」へようこそいらっしゃーい。チーママの美代子です。一人でやってるお店だけど、チーママなの。ママより若そうでしょ?
この前、女子会(女子かい?ってツッコミはナシでお願いします)で撮った写真を見たら、びっくり!「あんた誰?」っておばちゃんが、チーママ美代子が座ってた場所に写ってるの。もちろんそのおばちゃんは他ならぬ美代子よ。まぶたが下がってタレ目だし、お多福さんもおののきそうな二重あご。口角の横の肉も下がっている!歳をとると顔全体が下垂するのね。暗い場所で仕事してるから気づかなかった。ミケは教えてくれないし!10年前の顔はこんなじゃなかった・・・
エレベーターのない雑居ビルのショボい店といえども、美代子はいちおう客商売。「シワは人生の深み」だなんて、未熟な美代子にはちゃんちゃら思えないことに気づきました。受け入れられるようになるまで、しばし猶予をください神様。
ってことで、 わたくしチーママ刑事が、レーザー脱毛で通っている美容クリニック2軒&お初の美容クリニックの計3軒に乗り込み、調査してきました。「10歳若返りたい!先生、おいくら万円かかります?」
若返るにしても、なぜいきなり「先生」なのか。自分で何とかしようとしないのか。そう思う方もいるかもしれません。これだけは言えます。私、継続しないんです!マッサージもベロぐるぐる運動も美顔器もなにもかも。エステは毎回予約するのが面倒。スリミングコスメすら3日以上続いたことがありません。唯一続いていることといえば、「スナック三毛猫」くらいで、続けて何かをコツコツするのが苦手なの。手っ取り早くなんとかしたいから、クリニックに聞いちゃうことにしたのです。
決められた周期できっちり通えない性格の美代子は、「あ、生えてきた」と思ったら当日予約でクリニックに行くので、いい歳こいた今も脱毛に通っています。白髪になっちゃう前に急がないとね!脱毛の最中は、クリニックの女性と他愛のない話をします。「ここ、もう少し(毛が)ありそうですね」とか「最近、中国人多いです?」とか。実は美代子が長く通うこのクリニックAは、移転増床してゴージャスになったと思ったら、中国人と通訳さんらしき人を待合室で見かけるようになりました。
今回は「あの~、こちらって、二重あごやらの治療もなさってますよね?」と相談しました。するとクリニックの方、「☆◎*@!>▽がいいですよ~この前私もやりました♪」などと宇宙語を話し始めました。そして、「お時間ありますか?先生のご予定あいているか確認してきましょうか」と、あれよあれよという間に診察がセッティングされちゃいました。すごっ!陸上男子400mリレー銅メダルの日本チームもびっくりの営業リレーです。
診察室にいたのは、ホームページでしかお見みかけしたことがない院長先生、ではなく、中堅どころと思われる年代の先生でした。気になっていることを話すと、「まぶたはそれほど下がってないですね。二重あごは手っ取り早くすっきりするなら脂肪を溶かす注射があります。あとは高周波でリフトアップするか、糸を入れる方法だと長持ちします。内出血もほとんどありませんよ」
し、脂肪を溶かすんですか?糸を入れるんですか?顔の中に?内出血~?(涙)
ショックでした。たしかにホームページにそんな言葉が並んでいたのはちらっと見かけていました。でも、自分とは違う世界のものだと思っていたんです。フォトフェイシャルのような聞いたことがあるメニューでなんとかなるのでは?と。死んだばーちゃんの言いつけを守ってピアスの穴すら開けなかったのに、糸だなんて!とおののいたチーママ美代子は、「今日はお話を聞きたかっただけなので」と診察室を後にしました。
★Aクリニックのお見積り/約50万円
脂肪溶解注射3回(あご)+溶ける糸(リフトアップ)の場合。溶ける糸というからには、溶けない糸なるものもあるそうです。溶ける糸を高周波治療に変えるともう少しお安くなります 。
ダウンタイムは1週間
ダウンタイムとは、腫れたり傷跡が残ったりなど、日常生活や見た目に不便がある期間のこと。糸を入れると少し腫れることがあるそうです。
持続期間
太らなければ脂肪溶解注射の効果はずっと続く。糸は1年くらい続くそうです。
Aクリニックでのショックに打ちひしがれる中、まだ必要を感じていない脱毛の予約をクリニックBに入れ、「アンチエイジングのご相談もしたいので、先生の診察もお願いしたいです」と伝えました。なぜ脱毛で通うクリニックが2軒もあるかというと、「この部位の脱毛をクリニックAはやっているけど、クリニックBはやっていない」という違いがあるから。脇や脚はどこでもやってくれますが、顔の脱毛への対応度はクリニックによりさまざまなんです。
Bクリニックのホームページには、雇われ医師の存在が見当たりません。診察にも院長先生@推定40代が登場しました。「ここもあそこもそのへんも気になりますが、糸なんて怖いからいやなんです!」とのっけから涙目で必死に訴えると、「糸もいいですが、ヒアルロン酸やボトックスでもリフトアップできますよ」と断言。・・・でも、注射なんですね?
「あごには、糸が希望でないなら、脂肪溶解注射ですね。レーザーもありますが、脂肪を減らしたいなら注射です」と、Aクリニックと同じお答え。
まぶたはやはり下垂しているそうで、「手術するほどではないが、レーザーがおすすめ」。手術って言葉が出てきたこと自体、ショックな美代子です。で、そのレーザーってのが、おっかないんですよ。何本もの針を同時に刺しまくる治療で、麻酔が必要。そして一週間ほど目の周りが真っ赤なんだそうです。「メイクはすぐできるようになりますよ♪」とにっこりされたけど、怖すぎる・・・。というか、院長先生、針がお好きなんですね。
★Bクリニックのお見積り/約72万円
脂肪溶解注射3回(あご)+ヒアルロン酸・ボトックス注入(リフトアップ)+レーザー3回(まぶた)の場合。注入は本数により値段が左右されるので、「〇万円以内で先生のお見立てでお任せしたい」と言えば、少し抑えることはできそう。
ダウンタイム1週間(糸よりすごそう)
「スナック三毛猫」を1週間も閉店するのは覚悟が必要。だからみんな夏休みや年末年始に整形するのね~と初めて納得しました。
持続期間
太らなければ脂肪溶解注射の効果はずっと続く。注入は1年かそれ以上続くそう。まぶたのレーザーは3回集中的にやった後、数カ月おきに繰り返すのがおすすめとか。
2軒のクリニックで診察してもらう前の美代子は、ちょっと美容に敏感な人ならやっていそうなフォトフェイシャルのようなものをすすめられると想像していました。なのに注射やら手術やら、不穏な言葉がバンバンでてきて、ショックと戸惑いでいっぱい。(そもそもフォトフェイシャルは肝斑があるおばちゃんには向かないらしい。肝斑は閉経したら薄くなるそうです)
怖いのはいやー!とネットでいろいろ調べ、ここなら注射や手術以外でなんとかしてくれるかも?という期待を込めて初めて伺ったのが、Cクリニック。注射や手術以外に、機械を使ったメニューを豊富に用意しています。
診察室に入ると、院長先生ではなく、ド派手な女医さんがいました。荷物を置こうとふと診察室の角を見やると、鎮座ましますのは、先生のものと思われるどピンクのH社製バーキン。どピンクっぷりに目をうばわれつつも、悩みを話して、「怖いのはいやです!」と伝えました。
バーキン先生のお見立てによると、「あごには脂肪溶解注射かサーマクール(高周波)」。このメニューの名前をなぜ知っているかというと、年上の友達がむか~し話していたから。その頃はサーモクールだと覚えていたけど、正しくはサーマクールなのね。リフトアップにはウルセラシステムという超音波のメニューをすすめられました。まぶたには前出のサーマクールとウルセラシステムがイチオシらしく、「手術ほどではないけど、目が上がりますよ」と教えてくれました。
どちらのメニューも痛いのは事前に確認済み。改めて先生に聞くと、「気になるなら麻酔を」とすすめられました。ってことは痛いのね。ネットでは麻酔が要る・要らないという情報が乱れていますが、機械のバージョンによっても痛さが違うそうです。
バーキン先生、ご自分の顔にもいろいろとほどこしているみたいで、「ここにはこれやってる」「この前はあれをやった」とアンチエインジグ以外の手術をしていることも説明してくれました。たしかに明らかにあれこれいじくってるなというお顔だったので、「もし私がアンチエイジングではなく顔の造形を変える手術を受けることになってもバーキン先生にはやってほしくない」と思ったのは事実です。
★Cクリニックのお見積り/約45万円
サーマクール+ウルセラシステム(顔と目もと)の場合。機械をあてる部位によってお値段が設定されているので、予算上限の中で効果的にしてもらうという方法もアリのようです。これまでの2軒の治療費にくらくらしていたので、このほっこり価格を見ると心がやすらぎますね。その後すぐに我に返りますが。
ダウンタイムはナシ
お店を休まなくて済むのはすばらしいです。
持続期間
半年~1年ほど持続するそうです。
1)脂肪溶解注射なるものが日本の美容クリニックを席巻している
2)美容クリニックに行くからには金銭感覚の破壊を覚悟すべし
3)痛みなくして若返れると思うなかれ
4)手術を引き合いに出されてもショックを受けるべからず
5)手術と聞いた後は注射がたいそう軽微に思えるは計略の疑いあり
6)選択によっては「スナック三毛猫」の一時休店もやむなし
7)現代の医師は自院のサイトの症例写真を見せながら患者に説明する
8)大金をはたいても1年後にはまた必要。アンチエイジングとは自転車操業のごとし
9)バーキンは医師の机の下などに置いたほうがよいと思われる
10)ボトルの値段を2倍にしなければ、治療費を捻出できない
以上!