とても複雑な心情を持っている地域だと思います。
頑固で地元に対して強い意識を持っている一方で、やや自虐的ではあるが東京や周辺県(埼玉、千葉など)に対する劣等感を意識することが多いように思います。
確かに、茨城県は江戸時代から関東の中では産業開発やインフラの整備も遅れてきました。茨城人は御三家のひとつ水戸藩のおひざ元だということを誇りにしますが、これが発展を遅らせた原因の一つと考えて間違いありません。ほかの御三家や多くの大名と異なり、水戸徳川家は「在府」の大名です。テレビでは黄門様は全国を歩き回ったように描かれていますが、実際はほとんど江戸に滞在(在府)しており、水戸に行くこともめったになかった(生涯に数度)と言われています。これでは地元の政治に熱意がわかないのもしょうがありません。
そういうわけで地域の発展が遅れ、その結果として幕末から明治維新にかけては、水戸天狗党などの極端な人たちが現れたともいえるわけです。
今は開発もインフラの整備も進み、そういうことはないのですが、深層にはこういうアンビバレントな感情が息づいているように感じます。